贈り物として胡蝶蘭をいただく機会は多いですが、花束ではなく鉢植えをいただいたなら、せっかくですから大切に育てたいものです。
たとえば胡蝶蘭をいただいた場合、どのように育てれば良いのでしょうか。

まず、いただいた時点でラッピングがされている場合は、なるべく早めに取り外してしまってください。
手間のかかったきれいなラッピングを取るのはもったいないと感じてしまいがちですが、ラッピングがあると鉢の中が蒸れてしまうため、花には良くないのです。
もしラッピングを取らずに水を遣ってしまえば、鉢の中はますます蒸し上がってしまい、カビが生えたり、根腐れを起こしたりすることもありますから、少なくとも水遣りを始める前には取っておく必要があります。

次に置き場所です。
花によって日光に弱かったり、風に弱かったりという特徴がありますが、これを機械的に覚えるよりも、「その花がもともと咲いていた地域の気候」をイメージして、それに近づけることを考えましょう。
胡蝶蘭は東南アジアの花で、熱帯雨林で育ちます。いわゆるジャングルですから、直射日光はあまり浴びることはありません。そして、花芽が出るのは涼しくなった時ですから、ある程度涼しくなることもある場所だとわかります。
そこで、まず温度に気をつけてください。一般の家庭で温室のように一定の温度を維持することは難しいですが、なるべく温度変化が少ない場所を選びましょう。特に冬場に冷えすぎると、すぐに枯れてしまいますから、少しでも暖かい部屋に移動するなどの配慮が必要です。
しかし、いくら暖かいからといって直射日光が当たる場所はいけません。葉焼けを避けるため、直射日光が当たらない場所を選ぶか、カーテンなどを通して光を弱める必要があります。また、密閉された部屋など、風通しの悪い場所も避けてください。

最適な置き場所が決まったら、あとは気をつけて水遣りを行いましょう。
毎日少しづつ水をあげて、ずっと土がしめっている状態を保つと、根腐れしてしまいます。
回数は控えめにして、ある程度土が乾いたらたっぷりとあげる、というのが基本です。
あまりにも土の乾燥しすぎるのも問題ですから、最適なタイミングで水をあげられるよう、鉢の状態には常に注意してください。

こうした点に気をつければ、胡蝶蘭の花を長く楽しめますが、やはりしおれてしまうのは避けられません。
その場合は、茎の根元から3節目辺りを切ってやると、そこから新しい花芽が出てきます。
もし株が弱っていて花芽が出てこないなら、根元の方で切って、また茎が伸びるのを待ってください。この場合、植え替えをすることによって、株がまた元気になることもあります。